清里とスタリオン 2018 11 11

 今では、すっかり元気がなくなってしまった三菱自動車も、
かつては、自動車市場に旋風を巻き起こしていたのです。
 清里で見かけたスタリオン。
スタリオンは、今では少なくなってしまったFR車。
エンジンは、直列4気筒2000ccでSOHCにターボでした。
 デザインは、当時としては珍しかったスポーツカーで、
トヨタの「86」に似ています。
 もちろん、「86」は丸みを帯びたデザインですが、
スタリオンは、北米市場を意識して角張ったデザインでした。
 当時は、馬力の自主規制があったのでしょうか。
どの車も、2000ccのエンジンでも、150馬力未満が多かったのです。
 そこへターボで170馬力のスタリオンが登場したので、
車好きの若者には、ちょっとした衝撃でした。
 清里の街角で長いボディを見せつけながら、
ゆっくりと曲がっていくスタリオンは、
今でも鮮明に記憶に残っているのです。
 当時は、パワーステアリングがついてなかったので、
渋滞する道で、ゆっくりハンドルを切るのは、腕力が必要だったと思います。
 今の自動車は「家電化」して誰でも運転できるようになりましたが、
スタリオンは、ドライバーを選んだのです。
 山梨県の清里は、もともとは山男の街でしたが、
女性漫画家がメルヘンチックな喫茶店を開いたことから、
高原の避暑地で、メルヘンな街として、
まるで物語に出てくるような街に変貌しました。
 しかし、東京ディズニーランドがオープンすると、
清里は、「メルヘン」をディズニーランドに奪われてしまいました。
「夏草や 兵どもが 夢の跡」
 これは、三菱自動車にも清里にも当てはまるのでしょうか。
私の青春の思い出も、「夢の跡」でしょうか。
 そう思っていたら、数年前、自宅近くの駐車場に、
スタリオンが現れたことがありました。
その出現期間は、わずか1か月程度だったと思います。
 1982年の車が動くわけないので、
スタリオンは、過去からタイムスリップして、
現代にやってきて、また過去へ戻っていったのか。
 30年以上前の車なのに、外装は、輝いていました。
清里の時のように輝いていたのです。
 いつも「会いたい」と思っていると、姿を現すのでしょうか。
強く思っていると、夢の国から、スタリオンが戻ってくるのか。
 いや違う。
いまだに「スカイライン2000RS」は現れていない。
30年以上前に「清泉寮」(山梨県)の前で見かけたのが最後だった。
 もう一度見たいと思っていても、
どこへ行けば見ることができるのか。





























































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